この話は東北の集落で、
急に祭りをやることになった事から始まります。
祭りと言っても屋台や出店があるわけでもなく、
昔やっていた○○を復活させようという感じではありません。
ある年代の人は祭りの存在を知っているのですが、
それ以外の住人は知らない祭りで。
どうやら風習としての祭りというよりも、
例えば天候異常がおきた後に行う儀式のような、
何かがおきたから行う儀式のようです。
お寺の境内には17歳以上の住人が半ば強制的に集められ、
境内に作られた火の付いたやぐらを囲むように並びます。
太鼓の音が聞こえると、
能面を付けた私服姿の住職や区長たち4人が出てきて、
やぐらの周りを思い思いの踊りでまわり。
4人がやぐらの周りを回っているあいだ、
観衆は手を合わてじっとそれを見て、
数十分ほどして太鼓が大きく鳴ると儀式は終わりです。
何の為におこなった儀式なのか、
意味が分からない集落の青年が年配の人に訪ねても、
答えははぐらかされてしまいます。
謎の奇妙な儀式を伝える話なのですが、
手がかりになりそうなのは、
「能面が起きたから、とにかく鎮魂だよ鎮魂」という言葉だけです。
能面→ノウメン……東北の年配の人だから本当は訛っているのかな、
そんなふうに考えていると、
外法で作られた呪い「リョウメンスクナ」の話を思い出し。
「リョウメンが起きた」を「ノウメンが起きた」と聞き間違えて、
能面の事だと思ってしまったのではないかと考えてしまいます。
「リョウメンスクナ」は呪いに関する話で、
リョウメンスクナが東北のお寺で発見されることから物語は始まります。
リョウメンスクナが東北のお寺に納められていたのかは謎だったのですが、
東北の土着の儀式に関係があったとしたら、
東北のお寺に納められていたのも今回の謎の儀式も、
繋がると考えるのは飛躍しすぎでしょうか。
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