賽の河原とは、三途の河の河原にあり、
親より先に亡くなった子どもたちが集められた場所と言われ、
全国各地に賽の河原と呼ばれる所があります。

佐渡ヶ島の賽の河原は、佐渡カーフェリー発着場から車で
約1時間の位の海食洞穴の中にあります。

ここには、大小様々なお地蔵さまが安置されて、
洞穴内の左奥のくぼみは「血の池」と言われています。

また、亡くなった子を想う親御さん達によって、
あちこちに石が積まれています。

その起源は不明ですが、1736~1741年頃に書かれた
佐渡巡村記」という書物によると
「村内に賽の河原というところあり」と記されているため、
約280年前には、地元の人々にそう呼ばれていたと思われます。

地元では、寒念仏(2月)に必ずお参りをし、
家族が亡くなると3年間は毎年お参りをするそうです。

また、子どもを亡くされた親御さんが
ここへお参りに来ることも多いのだそうです。

また、賽の河原は佐渡の遍路の正式な札所ではないのですが、
お遍路さんたちはここへも立ちより巡拝していたそうです。

賽の河原へ続く道は、昔はうっそうとした場所だそうで、
地元の子どもでも「怖くて一人で歩けなかった」そうです。

ここに古くから伝わる言い伝えに、
「この賽の河原にあるものは何ひとつ持ってきてはいけない」という掟があります。

石やお供えのおもちゃなど、「何かを持ち帰ると災いが起こる」と言われていて、
誤って小石がポケットに入ってしまったまま帰った若者が事故で死亡したとか…。