下校途中に赤いコートを着た長い髪の美しい女性に、
「あたしきれい?」と声をかけられて「きれい」と答えると、
女はマスクを外して「これでもか?」と顔を見せる。

その口は耳まで届くほど大きく裂けていて…。
ぎゃーっとびっくりして逃げ出すのですが、
逃げても逃げても鎌を振り回して追いかけてくる。
女なのに足が速い。35年ほど前に流行った口裂け女

口が裂けたのは整形手術が失敗したからとも言われ、
撃退するにはべっこうあめポマードがいいと言われていました。
特にポマードはポマードと言葉に出すだけでも嫌なんだとか。

ポマードポマードポマードと3回言えば逃げ出すと有名な話です。
姉妹がいるけど揃ってバケモノだとも言われていました。

でもこの口裂け女、その当時は伝説ではありませんでした。
子供だけでなく大人たちも実在の人物と信じて、
口裂け女が出たという噂に学校も親も子供たちを守るために真剣でした。

口裂け女が現れそうなスポットもありました。
ただ流行のピークが短かったようなので
いつの間にか単なる迷信だったというところに落ち着いていたようです。

口裂け女対策として有効とされたべっこうあめなどは
既にその当時はそこらへんに簡単に売られている代物ではなく、
ポマードを使う男性もまわりを見渡してはそうそういませんでした。

口裂け女がきっかけでポマードやべっこうあめの存在を
知った子供もいたのではないでしょうか。

発祥はあとから知ったことですが、岐阜なのだそうです。
私はリアルタイムで流行の真ん中にいたことになります。