広島県佐伯区(芸州五日市村)には、その昔「平家物語」で
源頼政氏に滅ぼされたとされる雷獣と言う名の獣がいたとか。

体長は60cmくらいで、鋭い爪を持っていて、キツネより太い尻尾を持ち、
灰色の犬のような姿をしていて、中には猫の姿をしていたとか、
蟹または蜘蛛の形をしていたという伝説があります。

広島県佐伯区の雷獣は、享和元年五月に
雷とともに落ちて来たとされておりますが、
日本各地で伝承されている雷獣とは姿形が異なるようです。

その姿形は弘化時代に描かれたとされる『奇怪集』に
描かれています(サムネイル画像参照)。

東日本と西日本では雷獣の姿形が異なり、
例えば新潟県西生寺というところにも雷獣のミイラと呼ばれる
ものがあったりしますが、テンやオコジョのような動物に似ており、
それらの動物を方言名で「雷獣」と呼ぶ地方もあるようです。

古くは、江戸時代の頃、まだ空の上には生物が住んでいて、
落雷などの天変地異によって地上に落下するものと考えられたとされ、
他の伝説上の生物(妖怪・幻獣など)よりも雷獣の伝承が生まれ、
日本各地でもこの雷獣伝説が語りつながれているようです。