画家が路地で絵を描いていると、残響が聞こえた。誰もいないはずなのに、足音が反響し、冷たい風が吹く。翌日、路地に黒い染みが広がり、触ると湿っていた。夜、残響が続き、染みが動き出す。霧が立ち込める頃、低い声が路地の奥から響き、白い影が揺れた。画家は逃げ出し、翌朝、染みは消えていた。

友人に聞くと、「その路地、昔、変な音がしたって噂だよ」と教えてくれた。画家は路地を避け、耳を塞ぐが、残響が耳に残る。あれはまだ路地にいるのだろうか。