大分県宇佐市の丘の上の寺、
大乗院には鬼のミイラが祀られています。

この鬼の由来にまつわる売渡証書には、
この鬼のミイラを「鬼形骨」と記載してあります。

立ち上がれば2mを越える大きな鬼形骨は、
体育座りの姿勢で祭壇横の箱に納められています。

大きさもそうですが、
太く鋭い爪がついた手足の三本指が特徴的で、
全身が残る鬼のミイラはこの一体だけです。

この鬼形骨は元々ある名家の家宝だったのですが、
名家が鬼形骨を手放してからは人の手を渡り歩きます。

大正14年に下関のA氏から、
大乗院の檀家だった寺島氏に販売されるのですが、
寺島氏は原因不明病に冒されてしまいます。

鬼のタタリだと考えた寺島氏は、
大乗院に鬼形骨を持ち込みます

大乗院で鬼形骨を供養したところ、
寺島氏の病気はたちまち癒えたと伝えられています。

実はこの鬼形骨は、
九州大学で科学的な調査が行われていて、
色々な動物を使って作られた作り物だという事が判明しています。

基本的には人の女性の骨を使い、
馬など様々な動物を組み合わせているのですが、
手足の指は元々そいう構造をした骨を使用したと考えられています。

少なくとも大正以前に、
この鬼形骨を制作するために
何処から女性の骨を調達したのでしょうか。

また、
これほど力強い指の構造を持った動物とは何だったのか、
新たな疑問が出てきます。

私はこの話を聞いて、
鬼形骨のような力強い指をした動物を考えたときに、
映画「ジュラシック・パーク」でみた恐竜達の指を思い出しました。