山梨市七日市場公会堂では、
台座の上にバレーボールぐらいの大きさの丸い石を盛って、
その上にだいたい1mほどの大きな球形の自然石が置かれています。
台座に置かれている石はどれも球のようにまんまるで、
川や海などで角が削れた石を見ても、
ここまで球に近いものは見たことがありません。
この球形の石は山梨だけで見られる
丸石神(まるいしがみ)と言われる道祖神で、
山梨には丸石神が数百箇所も点在しています。
コスタリカのオルメカ文明や、
メキシコのシエラ・アメカ鉱山で
丸石神ど同じ球形の石がみられ、
これらは火山が長い時間をかけて
生み出したことがわかっています。
山梨と言うと日本一有名な火山富士山や、
温泉で知られています。
この丸石神も球形に加工されたのではなく、
オルメカ文明やシエラ・アメカ鉱山同様に、
火山活動が生み出した自然石だと考えられています。
集落の中心部や境界・辻の近くにあることから
道祖神だと考えられていますが、
実は丸石神が何なのかは記録や言い伝えが残っていません。
山梨を中心にしたとても古い宗教の名残だと考えられるのですが、
残念ながらそれがどういうものかは失われてしまい、
今では道祖神として丸石神は祀られています。
七日市場公会堂に県内最大の丸石神があるのですが、
山梨には大小様々な大きさの丸石神があり、
場所によっては文字や彫刻を施されたもの、
何気なく通った道にそっと置かれている小さな物もあります。
七日市場公会堂のように目立つものはいいのですが、
日常に溶け込んだ丸石神を探すのは大変で、
ゴミ収集所の隣におかれているのを見た時は
「こんな所に」と驚いてしまます。
観光名所ではないのでガイドや案内はないのですが、
地図を片手に古代宗教の遺物をたどりながら
昔の集落の境界に思いを馳せていると、
まるで遺跡探索者になったような気分を味わえます。
年末年始にはしめ縄で飾り付けが行われるということなので、
丸石神めぐりは結構歩くことになるので、
暑い時期を避けて丸石神を探しやすい時期に
訪れるのがよいと思います。
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