熊本県都市伝説に「きんかんばばあ」というのがあります。

きんかんばばあとは、熊本市にある立田山あるいは金峰山に出没する、
超高速で走って追いかけてくるおばあさんで、
それ以外の要素については語られる内容にバラつきがあります。

熊本県民が中学生位になるとどこからともなく伝え聞く、都市伝説です。

きんかんばばあの「足がものすごく速い」という以外の要素としては、
「鎌を持っている」「きんかんを山ほど持っている」
「顔がきんかんのように小さい」などが挙げられます。

「鎌を持っている」というのは熊本県の様々な地域で聞かれる
「○○(地名)幽霊」という都市伝説からくっついたもののようにも思われます。

(「手はいりませんか」と聞いて「いらない」というと鎌で手を斬られ、
「いります」というと自分の手を斬って置いていくという、
変なオバケの伝承が田舎の方でたまに聞かれます。)

夫である「きんかんじじい」と行動をともにすることもあるそうです。
しかしながら、生態について詳しく述べた伝承などはなく、
「走るのがとても速いおばあさんが追いかけてくる、それがきんかんばばあ」
という漠然とした内容が語り継がれているだけです。

その光景を思い浮かべるだけでシュールな笑いを誘うことから
1980年代(もしくはそれ以前か)から、熊本の都市伝説として語り継がれています。

一説によると、東バイパスという交通量の多い道路で
自動車を抜くほどのスピードで走りぬけたという目撃談も語られています。

1980年代に既に老人だったきんかんばばあは現在も
目撃談がまことしやかに語られるきんかんばばあと同一人物なのか、
真実は誰も知りません。