大規模な土砂災害の起きた地域が、
昔は「八木蛇落地悪谷(やぎじゃらくじあしだに)」と呼ばれ、
「蛇」や「悪」が崖崩れが起きやすい事を表していたと
報じられました。
昔からの土地の名前には、
その土地を表す文字が使われていて、
後の世代に注意を呼びかけることを
多くの人が知る所になりました。
そういう注意を呼びかける地名のひとつに、
奥多摩の病ヶ沢(ヤマイガサワ)
と呼ばれる場所があります。
今は奥多摩町が購入していて、
「ヤマイ」が縁起が悪い名前だからと、
「病マヌヶ沢(ヤマヌガサワ)」になったそうです。
病ヶ沢を知っている林業関係者は、
どんな好条件でも断るといわれています。
病ヶ沢自体は、
沢登りや渓流釣りでしられる川苔山(川乗山)の逆川の奥にある、
支流のひとつですが、ある法師がその生命を絶った場所とも、
落ち武者が捕まり、首を切られた場所ともいわれています。
昔から病ヶ沢で作業をすると、
怪我や病気になると伝えられていて、
豊かな木材資源が手付かずのままになっています。
昭和のころに、
病ヶ沢を含む周辺の土地を購入して、
林業を始めた人がいたのですが、やはり病気や怪我が絶えず、
ウワサでは林業を始めた人は死んだともいわれ、
よりいっそう人がよりつかなくなったそうです。
病ヶ沢の近くにある平地から、
食器等が見つかったという話もあり、
大昔には人が生活をしようとしていたと考えられます。
その時期に病(災い)が続いたことから、
病ヶ沢と名づけることで、
後の世代に注意を呼びかけていたのでは無いでしょうか。
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