2000年3月の午前2時、
佐賀市鍋島のTさんの自宅から、
消防局に119番通報が入ります。
「お母さんが血を流して倒れている。猫に襲われて噛まれた」
この家に住む当時9歳の少女からの通報で、
救急隊員が駆けつけた時にはすでに、
少女の母親のTさんは死んでいました。
物色された形跡はなく、
Tさんは何者かに首を刃物のようなもので切られていました。
「大きな猫が襲ってきた」
「黒猫がお母さんをかみ殺した」
恐怖に震える少女は、
そんなふうに言っていたと言われていて、
この事件は少女の証言から黒猫殺人事件と呼ばれています。
Tさんは夫と死別した弱視のシングルマザー。
物取りのような犯罪ではなく、
化け猫伝説で有名な鍋島で、
この家の少女が犯人=猫を見たらしい。
いかにもマスコミが好みそうな事件ですが、
事件があったことを知らせるだけで、
その後の捜査状況には何も触れません。
最初は、
恐怖から少女が「猫におそわれた」と発したと思われていましたが、
マスコミが触れないのは少女が犯人なのではないか、
そんなウワサが言われるようになります。
子供がとっさについた嘘だから、
犯人は猫だと言っているのではないか?
子供が犯人だったから、
社会的影響を考えて報道をしなくなったのではないか。
実は事件の犯人は捕まっていて、
Tさんから預かった保険証書を悪用していた、
保険代理店に務めていた男性が同年7月に捕まっています。
保険証書を悪用した事がバレるのを恐れての犯行でした。
事件についてマスコミが触れなかったのも、
猫に襲われたと言うほど、
心が不安定だった少女を気遣ってなのでは無いでしょうか。
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