ある大学の登山サークルの学生達が冬休みを使い、
冬山登山に行った。

メンバーはいつもの4人で、前日からルートの確認や、
食料品、装備の確認など余念がなかった。

出発当日4人を乗せた車は一路某山道へ。

当日の天気は晴れ、車内で和気あいあいと楽しく会話を交わし、
登山入り口に到着したのが午前10時頃だった。

学生達は再度ルート、装備の確認を行い
30分後の午前10時30分に登山をスタートした。

天気も良く気持ちの良い中、山頂へと歩を進めていく。
午後2時を過ぎたあたりから天気が怪しくなってくる。

曇り始めた空はチラチラと雪を降らせてくる。

学生達は引き返すか?と相談したが、予報では晴れだし、
少し経てばやむだろうと山頂目指して出発した。

それから何分も経たないうちに雪は一気に勢いを増しはじめ、
来た道もわからなくなる位吹雪だした。

困惑した学生達は必死に歩を進めると、山小屋が見えた。
安心した学生達はそこで雪がやむのを待とうと山小屋へ入っていった。

しばらく使われていなかったのか、
マキや暖をとるような物は何もなく、
とりあえず雪が弱まれば下山しようと、外の様子を見てた。

しかし雪は一向に弱まる気配がない。
夜になっていくにつれ段々と気温も下がっていく。

体温が奪われ始めた学生達は半ばパニックになったが、
1人の学生が体を温めるため部屋の四方に1人づつ立ち
角に向かって歩を進め、肩をタッチしタッチされた人が
次の角まで歩を進めまた肩にタッチし、それを朝まで続け
体温を奪われないようにしようと提案
した。

その提案のおかげで朝まで1人も眠らず、
天気も回復した
ので下山する事ができた。

しかし、よく考えてみると、
部屋の四隅に1人づつ立ち角に向かって歩きタッチを続けるには、
4人じゃ足りない
んです。