〒630-8301 奈良県奈良市高畑町921番地
奈良市の奈良公園の南に位置する高畑町に
頭塔と呼ばれる遺構があります。
この頭塔は仏塔の一種であり、
1辺32mの正方形の石積み基壇上に
7段の階段上の石積みがされ、その高さは10mに及びます。
一見するとその全体は小さなピラミッドの様に見えます。
この奇数段には小屋根が設けられ、
その下には大きな石に刻まれた石仏が配置されています。
この構成は奈良時代にこうであったろうと言う推測も含まれていますが、
石仏はそれぞれの面に11基づつ44基が祀られていたと考えられており、
昭和の末に発掘整備されるまで、小さな丘の様になっていた
この地に埋まっていた石仏が28基発見されており、
重要文化財に指定されたこの石仏が実際に配置されています。
古文書に767年に東大寺の僧侶である実忠が土塔を築いたとあり、
これが頭塔だとされています。
この土塔が頭塔と呼ばれるのは、大宰府に左遷された藤原広嗣が、
左遷した聖武天皇に重用された僧玄昉を呪い殺し、
その頭がここに埋められたと言う伝説があり、
ここから頭塔と呼ばれた言う説もあります。
しかし、こうした日本でも極めて珍しい土塔と言う形の塔が、
建造された理由は、やはりミステリーと言えますし、
広嗣の怨霊におびえ、頭塔近くの南都鏡神社が、
九州からこの地に遷され、祀られた事から玄昉の頭を埋めた説も頷け、
完全に否定する事も出来ないのです。
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