群馬県前橋市三夜沢町にある赤城神社は、
その創建年代がわからないぐらい古い神社で、
関東一円に存在する赤城神社の本宮と目されている
由緒正しい神社
である。

神社のすぐ近くには「櫃石」と呼ばれる
古代の祭祀の跡が残っていて、
ここが古くからパワースポットとして知られていたことがよくわかる。

この神社に1998年の初夏、ある一家7人
(夫・妻・娘・孫・叔父・叔母・義母)が車でツツジ見物へ訪れた。

しかしその日は雨で、駐車場で車を止め、
神社へ参拝に行く夫と叔父以外は、車内で雨がやむのを待っていた。

待つうちに妻が「お賽銭をあげてくる」と言い出し、
財布から101円へ取り出し、赤い傘を差して参道へ向かった。

しらばくして車の中に残っていた娘は、
境内とは別の場所でたたずんでいる母親の姿を目にしている。

そしてそれを最後にこの妻はこつぜんと姿を消してしまった
この事件は大きな話題となり、テレビ番組などでもとりあげられた。

更に当日の赤城神社を撮影したホームビデオが発見される。
そこには失踪した妻が誰かに赤い傘を差して出している瞬間が映りこんでいた。

これは大きな手がかりかとも思われたが、
ついに現在に至るまで発見されることはなかった。

不可解なこの事件には様々な失踪の理由説が流れている。
家出や事件に巻き込まれたなど様々である。

そんなの中で、人々の脳裏をよぎる一つの可能性。
この赤城神社では「神隠し」は本当に存在するのかもしれない……。