事務員が、ある日、窓辺の鳥籠から音を聞いたと同僚は語る。鳥はいないはずなのに、カタカタと響き、籠が揺れる。翌日、籠に黒い染みが広がり、夜、音が近づいてくる。静寂を破って籠が震え、低い声が窓の外から響いたという。彼女は悲鳴を上げ、籠を捨てたが、翌朝、籠は窓辺に戻り、染みが床に残っていた。

同僚は言う、「その窓、昔、変なことがあったらしい」。事務員の部屋では、夜ごとに音が響き、闇が重たくなる。