秋田県の観光名所でもある田沢湖にまつわるお話です。
昔この田沢湖が田沢潟と呼ばれていた遠い昔、
とても美しい娘『辰子(たつこ)』がおりました。
神様のお水だから決して人間が飲んではいけない
と言われていたのですが、その水を飲むと
永遠の若さと美しさが手に入るとの噂もありました。
魔がさしたのか北の泉に沸く水を辰子は飲んでしまいました。
一口その水を飲んでしまったら、
水を飲んでいるのに喉が渇いて喉が渇いて、
もっともっと・・と水をガブ飲みしたそうです。
無心に飲み続けて、ふと泉に映る自分の姿を見て辰子は驚きました。
竜が映っていたからです。
そうです。辰子は竜に変わってしまったのです。
永遠の美しさではない竜の姿に辰子は泣き続けました。
そうして何年も何年も泣いた辰子の涙が湖を作ったと言われています。
あまりにも泣き続けた辰子の姿を見た北の泉の神様が、
辰子をその湖を守りなさいと、田沢湖の主(土地神様)へと変えました。
一方、秋田県の北部、鹿角(かずの)に八郎太郎という青年がおりました。
その青年も山仕事に仲間二人と来ていて、炊事当番ということで
奥入瀬川の岩魚を捕まえ焼いていたのですが、
あまりの空腹に仲間の分の岩魚も食べてしまったのです。
そうすると喉が渇き水をガブ飲みしているうちに
辰子と同じように竜へと姿を変えてしまったそうです。
その奥入瀬川の川を大きくなった竜の姿でせき止め出来たのが
現在の十和田湖と呼ばれています。
その後十和田湖を追われ現在の八郎潟と呼ばれる場所に移り住んだ
と言われていますが、辰子を知り辰子に逢いに行ったことから
二人はめでたく一緒になり、二人の愛で田沢湖は
凍りにくくなったと言われています。
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