アメリカは人種のるつぼ、などと言われます。

様々な国・地域から人があつまり、
まるで「るつぼ」のように渾然一体に
どろどろと溶け合った文化・習俗から新しい伝統・
カルチャーが生まれてくるという事ですね。

日本でも実は似た状況をもった土地があります。
それは北海道です。

かつては蝦夷地と呼ばれた未開の地であり、
明治のころ政府によって開拓史が置かれて
本格的に開墾が始まりました。

その際日本全国から新天地をもとめる多くの人々が
北の大地へと移り住みました
(札幌にある北広島など、
移住元のルーツをしめす地名がいまでも残されています)。

このように町・集落単位での移住があったので
当然そこの住民による風習がそのまま持ち込まれました

現在もなお残る子供の七夕行事「ローソクもらい」もその一つです。

ざっくり言うと「和製ハロウィン」といった趣で、
浴衣・チョウチンなどで着飾った子供たちが
わらべ歌を歌いながらご近所をまわり、
お菓子をもらって回るというものです。

♪ローソクだーせー、出ーせーよ
♪出さないとー かっちゃくぞ(*ひっかくぞ の意)
♪おまけに 食いつくぞ
面白いのは、訪問を受けた世帯ではほんとうにローソクを出してはNG、
ちゃんと「お作法」にのっとりお菓子を進呈しなければなりません
(小銭で代用する場合もあります)。

本州では7月7日が七夕とされていますが、
北海道の一部では月遅れの8月7日にこれを行う地方もあります。

ルーツをたどると東北のねぶた祭りにたどり着くそうです。

子供たちが地域の家々を訪ねて、
ねぶた用のローソクや費用寄進を集めたのが形を変え、
現在の北海道「ローソク出せ」になったのですね。