婿投げ・墨塗り祭りでは、
崖の上に集まった人たちが、
一人の男性を持ち上げます。
カウントダウンが始まり、
男性は崖の上から放り出されてしまう。
降り積もった雪が男性を受け止めて、
男性は崖を転がり落ちていきます。
これが松之山温泉で行われる、
婿投げ・墨塗り祭りの一場面です。
毎年1月15日(小正月)に行われる、
新婚の夫を崖から放り出すお祭りです。
松之山地区出身の女性が結婚した時に、
翌年の正月に行われていた行事でしたが。
今では観光客を呼ぶために、
イベントとして外部からの参加者を募集しています。
婿投げが終わると今度は、
しめ縄や正月飾りを集めた塔を燃やして墨をつくり。
お互いに「おめでとう」と言いながら、
顔に墨を塗りつける墨塗り祭りへと続いて行きます。
一年の無病息災を祈願する行事なのですが、
カメラ撮影をしている人にも容赦なく墨を塗りつけます。
うっかりお気に入りの服で行くと、
墨がなかなか落ちなくて大変です。
雪がクッションになるとは言え、
崖から人を放り出すのは物騒に思えます。
婿投げは「村の大事な娘を粗末に扱うな」という警告と。
大事な娘を奪われたのが悔しい、
村の若い衆の八つ当たりという意味があるようです。
墨塗りは全国各地で行われている、
正月飾りや古札を燃やす「どんと焼き」なのですが。
いつの頃からか灰と雪を混ぜて墨をつり、
その墨を顔に塗るようになったそうです。
自然の厳しい地域ですから、
少しでもご利益を身に着けようということでしょうか。
自ら奇祭と名乗るだけあって、
真っ白な風景と顔だけが真っ黒な人々、
その組み合わせはなかなか奇妙な光景です。
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