自殺で有名な栃木県の華厳の滝は大谷川(だいやがわ)になり、
やがて憾満ヶ淵(かんまんがふち)にたどり着きます。
憾満ヶ淵に向かう川沿いの道には、
苔を身にまとった地蔵達が一列に並んでいます。
案内版には並び地蔵と書かれていますが、
この地蔵達は化け地蔵と呼ばれます。
なぜなら、
行きで数えた地蔵の数と、
帰りで数えた地蔵の数が一致しないのです。
そこに何体の地蔵がいるのか、
誰もその正確な数をかぞえられないのです。
化け地蔵を紹介しているメディア毎に、
その数は90体だったり70体だったりで、
並んでいる地蔵の数は異なります。
地蔵達が何体いるのかかぞえると、
その数を化かされてしまう。
そのために憾満ヶ淵に並ぶ地蔵達は、
並び地蔵という名称ではなく、
化け地蔵と呼ばれるようになります。
化け地蔵は、
慈眼大師天海の弟子100人が、
願いを込めて彫ったと伝えられていて。
首のないもの、
体が損傷しているものと、
過ぎ去った年月以上に傷を負っています。
化け地蔵は1902年の大雨で大谷川が氾濫してしまい、
ほとんどが下流に流されてしまいますが。
流されたときの激しさを物語る傷をしながら、
化け地蔵は元の場所に帰ってきます。
川の激流にきえた地蔵もいましたが、
それでもおよそ90体が憾満ヶ淵に再び並ぶことになります。
日光東照宮や華厳の滝のような有名スポットが近くにあり、
化け地蔵はその影に隠れてはいますが、
奇勝と呼ばれる景勝地にあることで、
観光地や不思議スポットとしても、
知る人ぞ知るスポットとして人気を集めています。
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