中学2年の秋に家出をしてから、
栃木県足尾銅山で実に43年もの間を山中で生活した、
洞窟オジさんと呼ばれる人がいます。

2004年に半生を綴った
洞窟オジさん 高野の43年」が出版され、
2015年には洞窟オジさんをモデルに、
NHK・BSプレミアムでドラマ化もされます。

洞窟オジさんは、
中学2年の時に愛犬と共に家をとびだしてから、
山の中での生活が始まります。

最初は鉱山跡に住み着いていて、
愛犬とともにサバイバル生活の技術を身につけ、
ヘビやウサギを捕まえて生活します。

洞窟での生活を始めて2年後に、
愛犬が亡くなると、
洞窟オジさんは住処を移動します。

幸いにも大きなゲガをすることは無かったのですが、
20前後で歯がほとんどなくなってしまいます。

洞窟オジさんはずっと山にこもっていたわけではなく、
ときおり近くの農家などと最低限の接触をして、
時には金銭を得て燃料等を入手します。

山でしか咲かない花は良い稼ぎになり、
数万の現金を手にすることもあります。

お腹が空けば釣りや猟で食べ物をとり、
ときおり山菜や花を売って現金を手にする。

そんな生活も気がつけば数十年も続けて来ましたが、
心境の変化が訪れます。

洞窟オジさんはこの頃、
山の中から茨城県の河川に移り住みます。

最低限の接触にしていた人付き合いも、
今では洞窟オジさんを釣り名人と呼ぶ仲間が出来ています。

そんな中、
空腹に耐えかねて自販機をこじ開けようとして警察に逮捕、
洞窟オジさんの存在が公になります。

14歳で家を飛び出してから43年が過ぎた、
洞窟オジさんが57歳の出来事です。

ところが洞窟オジさんが名乗る戸籍に、
洞窟オジさんだと思われる人物はいませんでした。

加村一馬を名乗る洞窟オジさんは、
何処から来た何者なのでしょうか。