裸祭りといえば、
フンドシ一丁で行う祭りです。
ところが、
フンドシ姿になったのは最近のことになります。
昔はフンドシも身につけない、
本当になにも身につけなかったので、
裸祭りといわれていました。
今では全裸はまずいということで、
フンドシ姿で祭りをおこなっています。
ところが一糸も身にまとわない、
産まれたままの姿で祭りをおこなうところもあるのです。
それが三重県尾鷲市(おわせ)で、
2月に行われるヤーヤー祭りです。
ヤーヤー祭りは日が落ちた暗闇の中で、
「ヤーヤー練」と呼ばれる儀式からはじまります。
「チョーサじゃ、チョーサじゃ」
白装束の男たちが声を上げながら、
激しくぶつかり合いを始めます。
まだ寒さの残る中、
薄衣の白装束で揉み合いをすると、
男たちの体から湯気が立ち上ります。
ぶつかり合いで産まれた熱気が辺りを包むと、
次は「垢離かき」(こりかき)です。
港魚市場の脱衣所で衣服を脱ぎ、
海まで産まれたままの姿で走ると、
そのまま海に飛び込みます。
こうして汚れを落とした男たちは提灯を受け取り、
祈りをしたあとに控室に戻っていきます。
街の観光案内にも女性人気があると紹介されていて、
クライマックスの港魚市場には我先にと詰めかけているそうです。
ヤーヤー祭りは燃え盛る男たちの熱気が海に消えていく、
そんな荒々しさとはかなさがある祭りです。
ちなみにヤーヤーは、
武将が名乗りを上げる時の口上。
「やあやあわれこそは」から来ているといわれています。
チョーサの意味は、
『丁歳』で自分が大人になった事を表しているや、
『超歳』で新しい年を迎えた事を祝っているといわれています。
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