岐阜・小学生女児キャンプ場行方不明事件は、
2009年7月、当時小学5年生だった下村まなみさんが、
岐阜県にある、ひるがの高原キャンプ場での宿泊研修中の山中で、
忽然と姿を消してしまった
、というものです。

この事件の恐ろしいところは、
まなみさんが姿を消した当時の状況にあります。

まなみさんはその日、グループの女児と共に、
下見のために山に入ったそうです。

しかし、まなみさんにはダウン症という障がいがあり、
他児よりも体力が劣っていたため、他児から数分遅れてしまいます。

グループの女児が気を遣ってくれましたが、
1人で行けるから大丈夫」というようなことを言ったそうです。

そのため、グループの女児はまなみさんより数分先に歩き、
まなみさんはそのあとを追うように1人で歩いていきました。

途中の曲がり角に校長先生が立っていて、
グループの女児と、まなみさんを見送ったと言います。

まなみさんを見送り、後から誰も来ないことを確認した校長先生は、
まなみさんを追うように歩きます。

しかし、いくら歩いてもまなみさんの姿が見えないのです。

慌てて走って追いかけますが、最初に出会ったのは、
まなみさんの先を行ったグループの女児たち
でした。

彼女たちもまた、まなみさんの姿が見えなくなったため、
引き返してきたのですが、校長先生に会うまで、
誰ともすれ違うことはなかった
のだそうです。

校長先生がまなみさんを見送ってから、
女児たちと校長先生が出会うまで追いつくまで、
わずか10分足らず

そこまでに、まなみさんらしき人影はなく
声も、痕跡すらありませんでした

道を間違えるようなところはなく、
間違えたとしても子どもの足で登れないほどの崖が続いています。

そして、道には到底見えない茂み

小川も近くに流れていましたが、溺れるような水位ではなく、
そこに落ちたのだとしたら、悲鳴や泣き声が聞こえたことでしょうが、
それも一切ありませんでした。

このわずかな時間に、まなみさんは忽然と姿を消してしまったのです。
まるで、神隠しのように…。

誘拐、事故、遭難など、様々な可能性から捜索が進められていますが、
現在も、まなみさんの痕跡ひとつ見つかっていないのです。

どんなに技術や能力を駆使しても、
まなみさんの所在は明らかになるどころか謎が深まるばかりなのです。

あんな山の中で、誘拐犯が待ち伏せていたとも考えにくいのですが、
そんな山奥へ1人で進んでいくとも思えず、
事件は謎で包まれたままなのです。

まなみさんの一刻も早い発見を祈るばかりです。
岐阜に住んでいる私は、彼女を探すポスターを何度も目にしました。

いつまで経ってもはがされることのないそのポスターが、
この事件の恐ろしさを物語っているようにも思います。