八戸市女子中学生刺殺事件とは、1993年の10月27日、八戸市城下4丁目に住む中学2年生の女子が殺害された事件です。玄関とリビング、風呂場の窓には鍵が掛かっていない状態で、玄関の硝子戸は割れており「外側」に向かって破片が飛び散っていました。

口には粘着テープが貼られ両手は後ろに縛られた状態で下半身のみ裸でしたが乱暴された痕跡はありませんでした。包丁が落ちているも、凶器としては使用されていません。

被害者の帰宅から母親の帰宅までは約20分で、その短時間で行われた犯行として当時話題になりました。近所の人たちが聞いたガラスが割れる音の発生時刻から考えると「母親が帰宅する3~8分前に殺害された」と見られています。

顔見知りの犯行である可能性も含めて警察は12万人の捜査員を投入。重要参考人を含む約600人に事情聴取をしましたが、結局「手がかりなし」で時効を迎えた事件です。

この事件の怖いところは、

・まだ夕方の犯行で不審な車や人物の目撃証言がある
・現場が狭い住宅地である
・ごく短時間の犯行で犯人の遺留物も複数ある
・大規模な捜査が行われている
・犯行に使われた粘着テープは近隣では1店舗しか扱いがないめずらしいものである
という部分です。

実際に、当時、市内では多数の人が警察から取り調べを受けています。

新聞でも大きく取り上げられており、捜査にも人員を割き、さまざまな遺留品がありながらも「手がかりが1つもない」まま公訴時効を迎えたのです。

これだけ明らかになっているにもかかわらず何の手がかりもなく犯人が野放しになっているという、非常に怖い事件です。