孫が訪ねてくるたび、おばあさんは古い人形を抱いて待っていた。ある日、人形の目が動いた気がして、心臓が跳ねた。ガラス製の瞳が曇り、こちらを見つめている。孫に話すと笑われたが、夜、人形がカタカタと動き、笑い声が部屋に響く。翌朝、目が赤く染まり、おばあさんの手を掴む感触があった。捨てようとしたが、次の夜、人形がベッドに座り、ガラス目が彼女を映している。おばあさんは恐怖で人形を燃やしたが、灰の中から目が光り、笑い声が響き渡った。
近所に聞くと、「その人形、昔、変なことがあったって噂だよ」と教えてくれた。おばあさんは目を閉じ、人形の声を聞くたび、背後に気配を感じる。… … … あれはまだそばにいるのだろうか。


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