学生が、ある夜、踏切で奇妙な音を聞いたと友人は語る。電車が通らない時間に、カンカンと鳴り響き、誰もいない線路を眺めていた。音が近づき、暗闇に白い顔が浮かんだ。驚いて逃げたが、翌夜も同じ音が響き、今度は顔が踏切の向こうで笑っている。懐中電灯を手に近づくと、音が止まり、線路に血の跡が残っていた。夜が訪れるたび、音が家に近づき、ある夜、窓の外でカンカンと鳴り、白い顔がこちらを見ていたという。

友人は言う、「その踏切、昔、事故があったらしい」。学生の部屋では、夜ごとに音が響き、背後に気配が漂う。… … … あれはまだ線路にいるのだろうか。