私が高校生の時に経験をした怖い話です。

高校2年生の頃、私は自宅からバイクに乗って
夜のアルバイトに通っていました。

自宅からアルバイト先への道のりの途中には
林のなかの道があり、数メートルは家も店もなく、
昼でも人気のないところがありました。

ある冬の日のことです。

いつもの通り林の中の道を走ってアルバイト先に向かっていると、
白い半袖のワンピースを着た少女の姿が目に入りました。

バイクで走行中の一瞬のことでしたが、
人気のないところであることや、冬なのに半袖の洋服
ということで、強く印象に残りました。

「なぜこんな所に女の子が?」と不思議に思ったのですが、
アルバイトに向かう途中であったため、
その時は通りすぎてしまいました。

そしてアルバイトからの帰り道、
深夜の道で同じ所にその少女をまた見たのです。

その時点で、私は少女がこの世の者ではないと気づきました。
実は私は霊感が強く、子供の頃から幽霊を見ることが度々あったのです。

しかしただ見えるというだけで、
見えることにより何か害を受ける、
ということはありませんでした。

そのため恐怖を感じるものの、
その後も同じ道を使ってアルバイトに通っていました。

それから数日後のアルバイトからの帰宅時です。

その日は同じアルバイト先で勤務をする友人が一緒でした。
友人がバイクで先を走り、私が後を追う形でした。

そして林の中の道に入った時、また少女の姿が見えたのです。

先を走る友人は気づく気配もなく進みます。
その友人が少女の前にさしかかった時です。

少女が道に飛び出し、
友人は少女の体を貫く形で走り抜けました

そしてその直後、友人のバイクのエンジンが
止まってしまった
のです。

もちろん友人には少女の姿は見えておらず、
何が起きたのか分かっていません。

そのままエンジンのかからないバイクを
林を抜けた所にあるコンビニまで引きずり
エンジンをかけ直したところ、
何事もなくエンジンはかかりました。

友人を不安な気持ちにさせたくないので、
私は見たことを友人には話しませんでした。

その後調べたところ、
その年の夏、林の中で少女の自殺があったとのことでした。

その日からアルバイトへは遠回りをして
別の道を走ることにしたため、
その後どうなったかは分かりませんが、
今だに友人には見たことを話すことはできません。