昨年の八月に起きた話です。

あまり怖くはないかもしれませんが、
不思議な体験だったので。

昨年の四月に都会から田舎に引っ越して来ました。

転勤ではなく都会の生活に疲れた私は、
憧れの南国の島に移住しました。

仕事も何も決まっていなかったので、
引っ越してからしばらくは家の準備をしていました。

借りた部屋は海辺のマンションでした。
春だと言うのにこちらは既に夏でした。

引っ越しも一段落して、仕事も決まり慣れ始めた頃、
仕事中に突然気分が悪くなりトました。

トイレに行こうとしたその時です!
耳元で声がしたのです。

なーっという声が聞こえた、
その直後に外で車の急ブレーキと衝撃音がしたのです。

慌てて外に出ると車に轢かれたばかりの、
猫が倒れていました

僅かに動いていたのですが、
直ぐに動かなくなってしまい会社から保健所に連絡を入れて、
猫は直ぐに引き取られて行きました

不思議な体験でした。

しかも聞こえた言葉がなーっ
何がなーだよと少しイライラした気持ちも有りました。

猫は可哀想でしたが、こちらでは野良猫が沢山います。
事故で引かれる猫も沢山いました

帰り道に異常に猫が多い気がします。

山道を車で通過するのですが猫が並んで座っていたり、
集団で集まっていたりと初めて見る光景に、
驚きながら運転しました。

帰りの時間は夜の9時です。

こんな時間に何で猫ばかり居るのか?
と少し怖くなってきました。
家に着くとどこからか、猫の泣き声がします。

流石に気味が悪いので、直ぐに部屋に戻り
その日は直ぐに寝ることにしました。

翌日、猫の泣き声がします。
びっくりして飛び起きました!

するとどうやら本当に聞こえます。
しかも子猫の様な泣き声です。

直ぐに外を確認すると、そこには可愛い子猫がいました。
懸命に鳴くのですが、声にならない位に小さな声。

可愛そうになり、私が引き取る事にしました。
前日に轢かれたの事もあり、とても可哀想に思えたのです。

数日後の休日、子猫は私にもすっかり慣れて
呼ぶと近くに来るまでになりました。

私によじ登り耳を舐めてきます。
その時に聞こえたのです!はっきりと!

あの時の声です。

なーっ!なーっ!
私は驚きながら子猫を見ました。

似ているんです!あの時に轢かれたに。
恐怖を感じましたが、子猫は無邪気に舐めてきます。

冷静に考えてあり得ないですが、
もしかしたら轢かれたの子供が、
職場から仲間の助けを借りて、ここへ来たのかも?
そう考えるとしっくり来ます。

しかし、そんな事どうでも良くなりました。
子猫は間違いなく存在しています。

職場から来たのかもしれないし、
もしそうなら私を信頼して来てくれたのですから。