私の母にまつわる話です。
私の母は非常に霊感が強く、
幼い頃から怖い思いを何度もしており、
中には話したら母も聞いた人も死んでしまうという
恐ろしいものもあるそうで。そんな母の体験の、
話せる中で一番怖いものをお話します。母が中学生の時のことです。
自分の部屋に、母の好きな
あるアイドルのポスターを貼っていました。自分のお気に入りのアイドルを貼って満足していましたが、
恐ろしいのはここからです。貼ってからというものの、
母は毎晩恐ろしいものを見せられるようになります。それは、事故などにより無念の中この世去った人たちの亡霊。
夜な夜な、何も悪くない母を攻め立てます。何が悪いのかも分かっていなかった母は、
姉に一緒に徹夜して欲しいと頼み込みます。眠らずに夜を過ごせば、あいつらが来ることはない、
そう考えたのです。気味悪がられながらも姉に協力してもらい、
朝を迎えました。気を許した母は、少しだけ眠りにつこうとします。
しかし、奴らはやって来ました。もう朝なのに。日も出ているのに。
母は、部屋にあるものを当たり構わず投げつけ、
壊し始めました。どう足掻いても逃げることができないと知り、
発狂してしまったのです。もちろん、例のポスターもビリビリに。
しかしその瞬間、尋常ではない怨嗟が部屋を埋め尽くし、
そして消えていきました。母は、確信しました。
あのポスターに、霊が溜まってしまったのだと。ポスターは、霊の依代、
住処としてこれ以上ないものなんだそうです。時は過ぎ、そんなことなど露も知らなかった時の私は
好きなアイドルのポスターを部屋に貼りました。そして次の日、学校から帰ってきたら、
当然剥がされていました。その時の怨嗟と言ったら…。


2020年5月26日 at 5:33 PM
恐ろしい