学校からの帰り道の出来事です。

私の通っていた小学校は、
自宅から徒歩で40分ほどかかる小学校でしたが、
毎日徒歩で通学していました。

行きは集団登校ですが、帰りは集団ではなく、
各々帰宅することになっていました。

私はいつも仲の良い友達と一緒に下校していたのですが、
その日は友達が学校を休んでしまい、
一人で下校することにしました。

歩き慣れた道ではありますが、
一人で歩く田舎の道は通る人も車も少なく、
夕方の薄暗い雰囲気は少し私を心細くさせていました。

帰り道には田んぼや畑が広がり、
街灯は一つもありません。

大きな川があり、いつも通り橋を渡っていた時
ふと川を見ると沢山の子供が流れてくるのが見えました

川の流れに乗って同い年くらいの子供が
川上から流れてくる
様子から私は目が離せなくなりました。

脚はガクガクと震え、確かに恐怖心に襲われているにも関わらず、
なぜかその場を動く事ができず、
じっと流れてくる沢山の子供たちを眺めることしかできませんでした
やっと足が動くようになり、私は家まで走って自宅まで帰りました。

私は5分くらいその橋にいたように感じていたのですが、
実際は2時間程橋の上にいたのです。

私は見たものをすぐ母親に伝えましたが、
もちろん信じてもらえるはずがなく、
翌日の登校もその橋を渡りましたが、
子供が流れてくることはありませんでした

私が体験したことは幻だったのだと思い込むようにしていましたが、
祖母にその話をしたところ、数十年前にその川が氾濫し、
多くの人が流されたそう
です。

その自然災害が原因かどうかはわかりませんが、
今でも川から流れてきた子供の顔を鮮明に思い出す事ができます。