私が大学2年の秋のことである。
夜寝ている最中に腹痛に襲われた。

我慢できなくなり、親に抱えられながら
某大学病院に行くこととなった。

時刻は、腹痛が半端なかった為あまり覚えてないが、
0時は回っていたと思う。

車をすっ飛ばし病院に到着。
母親は車の中で待機してるから一人で行ってこいとのこと。

院内に入ると流石に夜中ということもあり患者が一人もいない
受付を済ませ、直ぐに診察してもらえた。

結果、急性胃腸炎だった。

病院ということもあり安心したせいか腹痛はすっかり収まっていた。
気が抜けた私はぼんやり病院の待ち合いスペースで会計の受付を待っていた。

暫くすると、入り口から五歳くらいの女の子を抱えた
30代くらいの女性が慌てた様子で入ってきた

そのまま、私の座っている待ち合いベンチの前を通り過ぎ、
T字の廊下を右に曲がって行った

私はふと思った。

ここ以外にも救患でやっているところなんてあったかなぁ。
その時は、あまり気にせず会計が終わるのを待っていた。

それから、5、6分程で会計が終わり、駐車場に戻ろうとした。
しかし、ふと先程の親子の事が頭をよぎった。

何か妙な感じが頭から離れないのだ。

止めておけばいいものを、先程の子連れの親子が曲がって行った
T字の廊下を確認しに行った

確かに右に曲がったよなぁ。
私は鳥肌が立った。

その曲がって行った先は、
真っ暗な診察室と奥にはボイラー室のみ

逃げるようにして病院を後に。
あの親子は一体何だったのか。

もしかしてというか、確実にこの世のものではなかったのだろう。

この事を帰りの車の中で母親に話したら、
大きな病院は何があるかわからないからとの
あまり馬鹿みたいに深入りするなとのこと。

今まで心霊体験などしたことなかったが、
この時初めて幽霊というものは本当に実在するものなのだ
ということを実感した。

その後、体調に異変があるわけでも無いので本当に良かった。