教師が教室の明かりを消すと、暗闇に包まれた机の間からかすかな音が聞こえた。採点中のペンが止まり、耳を澄ますと、擦れるような響きが近づいてくる。懐中電灯を手に持つと、黒板に白い手形が浮かんでいた。驚いて光を消したが、夜、音が大きくなり、手形が机に近づいてくる。翌日、教室を調べると、黒板の裏に「見つけて」と書かれたメモが貼られていた。暗闇で探索を続けるたび、音が足元に響き、ある夜、懐中電灯が消え、冷たい指が腕に触れた。悲鳴を上げて逃げたが、翌朝、手形は教師の机に残っていた。
同僚に聞くと、「その教室、昔、迷った子がいたって噂だよ」と呟いた。教師は暗闇を避けようとしたが、夜になると音が響き、背後に気配が漂う。あれはまだ暗中模索を続けているのだろうか… … …
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