主婦が掃除中、屋根裏の埃に埋もれた箱を見つけた。木製で古び、蓋に錆びた錠が掛かっている。開けると、中からかすかな息づかいが漏れ、埃が舞った。驚いて閉めたが、夜、屋根裏からカタカタと音が響き、眠れなかった。翌日、箱を再び見ると、錠が外れ、蓋が少し開いている。覗くと、何もないはずなのに、冷たい風が顔に当たった。夜になると音が大きくなり、箱が独りでに動く。ある夜、屋根裏へ上がると、箱が開き、白い手が這い出してきた。悲鳴を上げて逃げたが、翌朝、箱は元の場所に戻り、手形が床に残っていた。
近所に聞くと、「その家、昔、屋根裏に何かがあったって噂だよ」と教えてくれた。主婦は箱を捨てようとしたが、夜に音が響き、背後に埃の臭いが漂う。… … … あれはまだ屋根裏にいるのかもしれない。
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