一年前コンビニの夜勤の仕事を辞めた。

家族には黙っていたのでこれまでどうり
「仕事に行く。」と言って家を出た。

少し車を走らせ静かなところで停め、
眠ろうとしたが寒かったので
もう少し走って車を暖めることにした。

あてもなく走った。時間は午前0時を過ぎたぐらい
家々も明かりを消していた。

車の音がうるさいといけないので人気のない方へ進んだ。
深夜のラジオを聴きながらいつの間にか山道を走っていた。

車もほどよく暖まった頃ちゃんと舗装された
駐車場のようなところが目に入った。

眠くもなっていたのでここに車を止めた。
奥の方にドーム状の建物が目に入った。

中に誰もいないようだった。

これから探す新しい仕事のこととか
いろいろ考えがそのまま眠りに入った。

一時間ほどたっただろうか外から足音のような音がして目が覚めた。

ドームの方が青白く光っている
数人の男達がそのまわりをぐるぐる回っているようだ。

男達の服装は昔の日本軍の軍服のようだ。

こちらには気づいてないようなので
「エンジンの音で気づかれたらまずい。」と思いそ
のまま隠れて見ていた。

でもそれがまずかった。
男達の人数が急に増えて取り囲まれた。

一部の兵士は車の中をすり抜けていく
そのまま気絶してしまった。

翌朝目覚めるともう兵士達はいなかった。
ドームもなく更地のようだった

後で母に聞くと昔山に戦争でなくなった人々のための
慰霊塔があったが不心得者のために焼失してしまい移転したそうだ。

あるいは兵士達はああやって不心得者が来るのを
防いでいるのかもしれない。

以後車中泊はしていない。