私が当時、東京で一人暮らしをしていた時のことです。
私は20歳で上京し、専門学校に通い始めて、
初めての一人暮らしということもあって、
毎日のように学校の仲間を呼んで、家で遊んでいました。
私たちはその日も、
仲間たちと集まってワイワイ騒いで遊んでいました。
仲間の中に、一人霊感の強いYという友達がおり、
その日もYとその他4人ほどで遊んでいました。
Yはよく、霊を感じると具合が悪くなり、
時々道などを一緒に歩いていたりすると顔色が悪くなって
黙りこくってしまったりすることがあったのですが、
その日私たちがゲームで盛り上がっていると、
Yが急に具合が悪いと言い出しました。
私たちは心配し、仲間のうち一人がYを家まで送ることになり、
私はYを見送りに下まで一緒についていきました。
2人が出発したのを見届けると、
私は自分の部屋に帰るのに階段を上がって、玄関を開けました。
ドアを開けた瞬間、喫煙者の割合が多かったので
部屋の中は霧に包まれているようでした。
その時、その霧の中に何か浮かんでいるのが見えました。
「おかえりー!」という仲間の声が聞こえる中、
私はその塊に目を凝らすと、
苦しそうな顔の中年男性の生首でした。
私は「うわあああ」と叫び声をあげて、
その場にしりもちをついてしまいました。
みんな「大丈夫?」と駆け寄ってくれて、
立ち上がって恐る恐る部屋の中を見ると、
タバコの煙とともに、もう生首はなくなっていました。
みんなが怖がるといけないと思い、
生首のことは言わなかったんですが、
次の日学校に投稿してきたYに、相談してみようと思い、
「昨日は具合大丈夫だった?もしかして、Yが具合悪くなったのって…」
と聞いてみるとYは
「お前の家に遊びに行く前、俺遊びに行っててさ、
高速道路通ってきたんだよ。その高速道路でさ、
おっさんの生首見ちゃってさ。事故かなんかの霊かな、
と思って知らん振りしようとしたんだけどさ、
俺、その霊と目が合っちゃったんだよ。」
「ついてこなさそうだったし、
そのままお前の家についてゲームやってたらさ、
いきなりその生首が現れたんだよ。
俺、連れてきちゃったかなと思って、
俺が家に帰ればそいつも着いてくると思ったんだけど…」
私は同じものを家で見たことをYに話しました。
そうするとYは、とても申し訳なさそうに
「あれ…でもあいつ、俺についてこなかったんだよな。
ってことは今でも……」
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