これは私が、某県の廃マンションに行った際の話です。
当時、高校生だった私は友人達とクーラーのない自宅で
「暑いなー」なんて言いながらだらだらと過ごしていました。そんなことをしていると、友人の一人が
「そういえば、隣の県の〇〇マンションってとこが心霊スポットらしいよ」
と言い出しました。みんな若いのもあって、行こう行こう!と始まり、
やる気満々で早速行くことになりました。隣県といっても自転車で30分ほどの距離で、
平たんな道をひたすら走るだけなので案外早く着いた記憶があります。実際には思っていたマンションのイメージとは違い、
2階建てのボロアパートで、みんな「なんだよー怖くねえな」とか
「きったねー」といっていました。私も、汚いなあーくらいに思っていました。しばらく周りを散策した後、1階から見て回ることにしました。
しかし、結局1階は全室カギがかかっており、
入れる状況ではありませんでした。友人の中には「どうせ2階も鍵かかってるからやめようぜ」
といっているものもいました。ただ、ここまできて何もなく帰るのも
30分の苦労を考えると勿体ないというのもあって、
結局2階も行くことにしました。やはり、1部屋目、2部屋目と鍵がかかっており開きませんでした。
3部屋目、悪乗りした友人の一人が
おもいっきりドアノブを引っ張った瞬間に開きました。途端に熱気とともにかび臭いがドアの外にもれました。
中に生活感はなく、ただ畳張りの汚い床と
年代を感じる汚れた服が散乱していました。開いたことに驚いたものの、
友人たちが先に入り私は一番最後という順番で室内に入りました。室内は広くなく、昭和感?のようなものを感じさせる
古いテレビや小物がありました。結局入れたものの心霊現象のようなものもなく、
帰ろうと部屋から出る瞬間だったと思います。背後から視線を感じました。
振り返ってみると、そこには部屋の隅から
正座をして睨みつけるように私たちを見ている老婆がいました。それから、私は心霊スポットには行っていません。
また、あの老婆に会ってしまうような気がして…


2023年11月12日 at 6:16 PM
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