私が中学3年生の時の事です。

近所の学習塾から帰った私は、
一人で夕食の準備をしていました。

あの日、親兄弟は出かけていておらず
自宅には私一人でした。

時間は22時ごろでした。

私はマンションに住んでいて、
玄関をくぐるとまっすぐ廊下があり、
左手の一つ目の部屋が自室で、
その次にトイレ、その次に手洗い場があります。

手洗い場を過ぎると、
キッチンがあり家族が集まるダイニングがあります。

その日は、キッチンで夕食を作っていました。

夕食を作り終え、
ダイニングテーブルにご飯を持っていこうと廊下に出たとき、
一瞬廊下から変な気配を感じて、その場に立ち止まりました

そんな気配を感じたのは初めてで、
なんか変、ヤバイという事を
本能的に感じたのかも
しれません。

ですが、夕食を作り終えたのと、
塾終わりというのもあって私はかなり空腹の状態でした。

まぁ気のせいだろうということで、
また歩き始めたときです。

誰もいないはずの廊下から白い手が伸びてきて、
私の右手をつかんだ
のです。

その手は人の手は思えないほど冷たく
きつく私の手をつかんでいました。

一瞬で全身に鳥肌が立ったのがわかりました。

私はパニックになり、手を必死に振り払って
玄関から外へ靴も履かずに飛び出し、
近所のコンビニで母が帰るのを待ちました。

今でも手をつかまれた場所がどこだったか、
つかんだ手がどれほど冷たかったかを覚えています。

後に父から聞いた話なのですが、
父は自宅で何回も変な体験にあったことがあるそうなのです。

自宅の近くに大きな葬儀屋があるという事もあって、
そこで葬儀を行った人やそれにつられた
他の幽霊をたまたま見てしまったのかもしれないという話でした。

あの日から、自宅で幽霊にあったことはありません