何か楽しみにしている日の天気予報が雨だった時、
あなたはてるてる坊主を作って
「明日、天気になあれ」と願いませんか?記憶は曖昧ですが、私が小学生のころ、
遠くの町から転校してきた女の子の友達ができました。その子は肌が白くてきれいな黒髪を
いつも一つ結びにしていました。小学校では、年に一度だけ遠足がありました。
遠足が近づくとクラスメイトは持ってくるお菓子や
公園で何をして遊ぶかの話で持ちきりでした。しかし、遠足が一週間後にせまった日、
遠足の日は雨が降ることが分かりました。転校生の友達と遠足で遊ぶ約束をしていた私は、
その子に「残念だね」と話しかけました。すると、その子は
「大丈夫、てるてる坊主をつくるから」と言いました。「そうだね」と私は言いました。
遠足の日は天気予報は外れて快晴でした。
しかし、その子は集合場所に現れませんでした。おかしいな、と思った私は遠足の日の帰りに
その子の家に寄りました。ちらっと覗いてみると、
人形くらい大きなてるてる坊主が飾ってありました。気味が悪くなって私は走って家に帰りました。
次の日、学校で友達に
「てるてる坊主って本当に雨降らないのかな」と聞くと、友達は
「知ってる?てるてる坊主ってね、
昔、雨のやまない町にお坊さんがお経を唱えて
雨もやませようとしたんだって。だけど、雨はやまなくて、それで怒った町の殿様が
お坊さんの頭をはねちゃったんだって。
それを家来が布くるんで干したらなんと雨がやんでね、
そこからてるてる坊主って言われるようになったんだよ」と言いました。
私はいっきにぞっとしました。
友達は加えて
「まあ、こんな話信じている人いるわけないよね」と言いました。しかし、私は察してしまったのです。
彼女の家につるされていたてるてる坊主の正体を。それから、彼女は二度と学校に来なくなりました。
むしろ、私が彼女のことを口にしても
誰一人としてその子のことを知る者はいませんでした。


コメントを残す