昔人づてで聞いたのですが、
ある病院に入院している子が深夜に足音が
「コツ コツ コツ…」とどこかに向かっているような、
でもこんな時間に可笑しいと思いながらも
寝ぼけているのだろうとそのまま寝てしまいました。そして次の日も同じ時間になると
どこかに向かう足音がしています。また次の日も同じ時間になると足音が…
毎日毎日続く足音。気のせいじゃないと日に日に募る恐怖。
布団を被り明日を待つ毎日。そしてまた今日も同じ時間になった時、
確認してみようとゆっくり扉を開けると
遠くで男の人がどこかに向かって歩いているようで
気付かれないように後を付けてみる事にしました。どんどん進んで道を曲がった先には霊安室しかありません。
でもそこでピタッと音が止んでしまいました。意を決して恐る恐る開けてみるとそこには、死体を食べる男性。
恐怖のあまり後ずさりして物音をたてた瞬間目が合ってしまい
大急ぎで逃げ出すと、後ろから追いかけてくる足跡。命からがら逃げだして自分の病室に戻り布団にもぐって
震えながらもじっと隠れていると、気付くとその子は
眠ってしまっていました。夢だと自分に言い聞かせ何とか忘れる事にしました。
そしてまた同じ時間になると恐怖で震える自分を抑えて
布団にもぐっていると、いくら待っても足音はしません。布団に入っているから聞こえなかったのか、
本当に昨日の事は夢だったのか、
次の朝ふと病室を出ると運ばれてくる担架に
あの男性が乗って霊安室に運ばれて行くのを見た
その日から足音を聞く事はなくなったそうです。


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