よく昔のこどもは「お前の母ちゃんでべそ!」と言うことがあり、今のこどもでも言っているかもしれません。「母ちゃんがでべそ・・・それで何?」と思われる方も多くいると思います。

言葉の表面だけをみたら、ただ単に友達の母さんのでべそという容姿をイジっているようにしか聞こえません。ですが、この言葉には、隠された意味があります。

昔々、村社会で集落ごとの生活をしていた場所では、家長制度がありました。つまり父親が一番偉いのです。そんな父親の次に偉いのが母親、大きくなれば長男です。小さい間は母親は父親の次に偉い存在なのです。そこに友達が「お前の母ちゃんでべそ!」とからかいます。

「お前の母」つまりあなたよりも偉い人、「でべそ」その偉い人の下腹部をさします。おまえの父親しかみることのできない情報を、俺は知っているんだぞ、という意味です。つまり、お前の母の下腹部の秘密を知っている→お前の父親と同等の権利を持っている→お前は格下だ!という意味になります。

表現が露骨なようで、実は隠密にその意味が隠されている、その言葉が「お前の母ちゃんでべそ」なのです。また「でべそ」は性的な意味を含んでもいます。母親を性的に罵る意味にもなります。これは古来から日本に限らず外国でも存在している悲しい習慣ですね。

母親の悪口を言われることは一番悔しいことです。

また昔は親は自分の親に限らず、直接侮辱、または反抗することは禁忌でした。なので「お前の母ちゃんでべそ」という微妙な侮辱がちょうどよい悪口になったのでしょう。