新聞の占いをチェックするのが日課。さて、今日の運勢は何かしら? あら、まあまあね。ラッキーアイテムのハンカチを持って行こうかしら。へぇ、今日のラッキーカラーは緑なのね。じゃあ、緑色のシャツを着て行こうかしら。こんな調子で占いが生活の一部となっていた。といっても、のめり込むことはしない。あくまでも習慣みたいなもの。

さて、今日はどうかしら。やったわ、最高の運勢ですって! 「今日のあなたは何をやってもツイている日です」 今日は午後から大事な会議があるのよね。上手くやれるか不安だったけれど、これで自信がもてたわ。この先生の占い、よく当たるのよね。

わたしはウキウキ気分で支度をする。顔を洗って、歯を磨いて、化粧もしなくちゃ。ああ、なんて良い気分なのかしら。占いの結果が良いだけで舞い上がるなんて、わたしも単純ね。そのとき、スマホにメールが届いた。

件名を見ると「今日の占いについて」と書かれてある。そうだわ、いつでも先生の占いを確認できるように登録していたんだった。でも時間が無いわね。メールは電車の中で読みましょう。駅に向かい、いつもの席に座る。この席が落ち着くのよね。そうだわ、さっきのメールは何だったのかしら。スマホを開いて、先程のメールを読む。そこに書いてあったのは。

「お詫び。今日の新聞において、占い結果の誤植がありました。謹んで訂正いたします。今日のあなたは何をやってもツイている日です→今日のあなたは何をしても失敗するでしょう。とくに事故には気をつ」