お義母さんがうるさい。いつも愚痴と嫌味ばっかり。「掃除をしたの? あら、こんなにホコリがあるじゃない」「こんな塩っぱい料理が好きなのね」「スーツにアイロンはかけたの?」 ああ、イライラする!

いっそ居なくなってくれないかしら。でも、そんな事を口に出せない。近所では優しくて気立ての良い嫁で通しているんだから。下手なことを言って、変な噂でも流されたらたまらないわ。お義母さんが自分から家を出て行ってくれたら良いのに。

なんて考えていたら、階段から足を踏み外して落ちちゃった。骨折して入院。なんでよ、わたし悪い事していないのに。それも全部お義母さんのせいだわ。しかも、これみよがしに見舞いに来ちゃってさ。旦那なんか「さすが、おふくろ」って大絶賛しているのよ。

看護師さんも「優しいお姑さんですね」って。みんな騙されているわ。せっかく入院して逃げられると思ったのに、これじゃあストレスが溜まる一方じゃない。お義母さんの顔なんて見たくないわ。「だったら見なくて済むようにしてあげようか?」

だ、誰!? いきなり聞こえてきた声。いやだわ、ついに幻聴まで聞こえだした。わたし、そんなにストレスが溜まっていたのかしら。そうか、これは夢なのね。夢だったら何を言っても良いわよね。

「もう、お義母さんと顔をあわせたくない。二度と見なくて済むようにしてちょうだい」「わかった。君が二度と姑と顔をあわせないようにしてあげよう」 ああ、良かった。これで平穏な生活が送れるわ。それにしても、急に眠くなってきたわね……