北海道や西日本での豪雨災害や東日本大震災など21世紀に入ってから大きな災害が増えたように思うし、近頃は南海トラフ大地震の可能性を心配する話なんかも聞かれるようになった。
でもって、ある年に、俺の住んでいる地域でも大きな地震が起こった。
避難指示が出たこともあり、俺は最低限の物を持って、避難所に指定された小学校に避難し、そこで夜を過ごすことになった。体育館を避難所として利用した経験があれば分かるかも知れないが、周辺から人が集まるだけあって、人があふれて騒がしいし、当時は避難所用仕切りなんかもないからプライバシーもない、そして季節もあって、とにかく蒸し暑い。
これでは眠れんと思った俺は、時々小さな余震があったものの、気休めに涼みに行くために外をブラブラしていた。そして、たまたま明かりのついてない校内の建物を見つけた。
鍵がかかってないので入って見ると、そこは大変ひんやり涼しく、暗闇で静かなので多くの人が横になっていた。
「これはしめた。ぐっすり眠れる穴場を見つけた」と内心小躍りした俺は、暑苦しい体育館よりましと、今夜はそこで雑魚寝をすることにした。いやに静かすぎて、イビキや呼吸音すら聞こえない気がしたが、自覚がない疲れもあってか、そのまま、ぐっすり眠ってしまった。
周辺が明るくなり始める明け方前に、建物の中で目を覚ました俺はふと周りを見た。
思わず建物を飛び出さざるをえなかった。
「鍵ぐらい、ちゃんとかけとけよ」とも思った。
2020年2月7日 at 2:42 PM
安置
2020年2月24日 at 3:43 PM
遺体安置所で寝ちまったのか