ある平凡な男の話である。これと言った趣味も無く、真直ぐ帰宅してもやる事が無い、という事で、仕事帰りではあったがストレス発散を兼ねてパチンコ屋に行く事になった。

男は順調にパチンコを楽しんでいたのだが。だんだん時間が経過するに連れ、パチンコ屋独特の騒音、激しい音楽にくイラつき始めるようになった。

元々疲れていた事もあるが、日頃の鬱憤も相まって尚ストレスに感じた。男はどうにかいい方法は無いだろうかと考えた挙句、丁度目の前にあるパチンコ玉を利用して耳を塞ぐ事を思いついた

早速指で耳に入れてみると、パチンコ玉は男が想像していたよりも遥かに小さかったらしく、手では取りだせないほど、奥までコロコロと入ってしまった

これでは当初の目的は果たしたものの、耳に不快感があって呑気遊んでいる場合では無くなった。困った男性は金属を研究している知り合いの研究室に向かう事にした。そこでは、実験用の超強力な特殊磁石があると以前から聞いていたのだ。

そこに着くやいなや、真っ先に知人に経緯を説明し、とにかく詰まったパチンコ玉を早く取ってくれと頼み込んだ

その知人はバカバカしい男の話に正直呆れたが、「まあ、やってみよう」という事で例の装置に片耳を近づけるよう説明した。いざ、スイッチをカチッと入れると、聞いていた話通り、超強力磁石はパチンコ玉を一瞬でカキンカキンと吸い寄せたのであった。。。