親と喧嘩した。

理由は簡単、就職に失敗した俺は半引きこもりのような生活をしている。「いい加減仕事さがしな!」わかっているからこそイライラする。俺は「うるせぇな!俺だってやってる!」口答えをしてから親が寝た後ドライブに出かけた。

音がうるさい車で親は少しの音で目を覚ます。心配させてやろうとわざといつもより大きな音を立てて走り去った。数十キロ先のゲームセンターで時間を潰したり公園のベンチでボーっと朝が来るのを待っていた。

気持ちが落ち着いてくると、親に迷惑をかけてしまったな、悪いことをしてしまったと罪悪感を感じてはいたが今更帰れない。

数日間帰らず、ネットカフェで生活していると何度も何度も親から電話が来ているのに気が付いた。自分が悪いとわかっている。今更だけど、ちゃんと謝ろう。

リダイヤルで親に電話を掛けた。プルルルル…プルルルル…数回コールしてから懐かしい親の声が聞こえた。

「母ちゃん…」俺の罪悪感で満たされた声を聴いた親は不思議がっていた。

「なんて声してんだい?どうしたの?」怒らない…?なんで?

「何日も家に帰らなくてごめん…明日からさ、就活頑張るから、今から帰ってもいい?」「何言ってんだい?意味が分かんないよ、何日も部屋から出てこなくて、気でも狂わした?今日だって、扉越しで話したじゃん

俺はぞっとした…

何日も帰ってない、その部屋には誰も入らない。その時思いだした、俺の親は…生まれつき耳に障害があって人の声を識別できないことを…