俺の職業はタクシーの運転手。短大卒業後に入った会社を辞めて、タクシー会社に転職してから、かれこれ20年ほどになる。最近は人手不足もあって、夜日勤や21時間拘束の隔日勤務なんかが多い職業であるが、もう慣れちまったな。

俺はトンネルが近くにある自然公園の駐車場でタクシーを停めて、休憩したり、仮眠をとったりすることが日課なんだわ。トンネルや自然公園は自殺の名所という話を聞くが、今まで、この近辺で自殺者の遺体や幽霊を見たことないので気にせずに使って。

ある深夜営業中の休憩でのこと。ちょうど午前2時過ぎ頃だったか、休憩中に便所に行きたくなったもんで、駐車場から少し離れた公衆便所に入ったんだわ。用を足して便所から出たら、便所の近くで小学生位のガキが数人ほど、ピョンピョンと舌を出しながら飛び跳ねてるのが見えたんだわ。

最近の親は子供の夜遊びを許すんかねとか思いつつ、ガキ共が何をしているか気になった俺は、「坊主たち、なにしてんだ?」と聞いたんだわ。するとガキの1人が、「トンネルの上の方に長いベロを出しながら浮いてるオジサンがいたから、真似してたの。」とトンネルの上の林がある方を指さしながら、他のガキどもと一緒になって、ピョンピョンと舌を出しながら飛び跳ねて見せた。

「へー…」

やっぱ小学生ってバカと言うか変な遊びを思いつくもんだなー。気楽なもんだわ。

そう思いながら、ふと腕時計を見ると、午前2時半過ぎ。おっと午前3時頃までには事務所に戻って洗車と帰庫を済ませないといけないんだったわ。はやく戻らなきゃな。お気楽な子供と違って大人は本当に忙しい。

そう思いながら、俺はその場を後にした。