沖縄県の宮古島の北に、
大神島という珊瑚礁に囲まれた小さな島があります。

ここは古くから琉球の人々の信仰の対象になっており、
島の多くは聖域として立ち入り禁止となっています。

島の人口はわずかに50人。そのほとんどが、
神に仕える人とその関係者だといわれています。

島の祭りである祖神祭(ウヤガン)は、神降ろしの祭りといわれ、
宮古島と大神島の女性達だけで秘密裏に執り行われます。

この祭りは島外の人間は見ることができません。
男性に至っては、例え島の人間であっても立ち入ることはできません。

こんな神秘的な島ですが、実はこの島にはもう一つ面白い伝説が残っています。
この伝説を語るためには一人の男の話をしなくてはいけません。

男の名はウィリアム=キッド。

スコットランド出身の船乗りで、
海賊船アドベンチャー・ギャリー号を船長でした。

彼は海賊行為で巨万の富を築き上げ、
その悪名をキャプテン・キッドの通称とともに
世界中に知られるようになりました。

しかし、この大海賊も命運つき、
ついに捕縛され処刑されることになりました。

その処刑される寸前、キッドは叫ぶのです
「俺は俺の財宝をある場所に隠してきた」と。

どこかの漫画のような話ですが、
実際この話を聞きつけた多くの冒険家がキッドの財宝を探しました。
しかし、現在に至るまでその財宝は見つかっていません。

そんなキャプテン・キッドが、太平洋へ訪れたとき、
この大神島に上陸したという話が伝わっています。

そして、宝を島の聖所に隠したと記録が残っているのだと言います。
果たして、大神島にあのキッドの財宝は眠っているのでしょうか?