実家の物置で古い人形を見つけた彼女は、そのガラス製の目に違和感を覚えた。片目が曇り、こちらを見つめているようだ。捨てようとしたが、母に「昔の形見だから」と止められ、仕方なく部屋に置いた。その夜、人形の目が光る気がして目を覚ますと、首が少し動いていた。翌朝、目を確認すると、曇りが消え、両目が彼女を睨んでいる。夜になると、人形がカタカタ動き、部屋の隅で彼女を見つめる。ある晩、人形がベッドの横に立ち、ガラス目が彼女の顔を映していた。恐怖で捨てたが、次の朝にはまた部屋に戻り、今度は目が血のように赤くなっていた。

彼女は人形を燃やしたが、灰の中から目だけが残り、夜に光るようになった。母に聞くと、「その人形、昔、姉ちゃんが大事にしてたけど、変なことがあって捨てたはずだよ」と言われた。彼女は今、人形の目を見るたび、背後に誰かが立つ気配を感じる。