古いラジオを見つけた彼は、電源を入れると、ザザッという雑音が響いた。切っても続き、夜になると雑音に混じって声が聞こえる。「ここにいる」「見てる」と繰り返し、彼の名前を呼ぶ。ある晩、ラジオが勝手に鳴り、声が笑いに変わった。捨てても戻り、彼は耳を塞ぐが、頭の中で雑音が響く。

近所に聞くと、「その家、昔、ラジオから変な声がしたって噂があったよ」と言われた。彼は今、ラジオがなくても雑音と声が追いかけてくる。