配達員が路肩の看板を見ると、文字が揺れた。誰もいないはずなのに、看板が震え、冷たい風が吹く。翌日、看板に黒い染みが広がり、触ると湿っていた。夜、文字が動き、低い声が響いた。風が止まる瞬間、染みが揺れ、白い目が看板から覗いた。配達員は逃げ出し、翌朝、染みは消えていた。

同僚に聞くと、「その看板、昔、変なことがあったって噂だよ」と教えてくれた。配達員は看板を避け、耳を塞ぐが、文字が耳に残る。