当時大学3年生の頃の私は、
毎日アルバイトな生活にあくせくしていました。
普段から、好奇心旺盛な性格で、
とにかく学生のうちにいろんな事をしてみたい!と
短期バイトを転々とし、コンビニバイトから内職、
ゲームのバグチェック、さらには大工の力仕事など
色々なアルバイトをして経験を積んでいきました。
そんなある日あるおもしろそうなアルバイトを
ネットの記事でみつけました。
それが「墓石清掃員」というバイト。
どういう仕事内容かといいますと、
色々な事情で墓石の掃除が困難になった家庭から
墓石の掃除を企業に依頼し、
企業から我々スタッフに日時と地図を指定され一人、
もしくは2人で掃除をしに行く。というアルバイトでした。
私は早速そのバイトに応募し、早速以来があったので
家から少し離れていましたが一人で向かうことにしました。
場所はというと家から20キロほど離れた山道の中腹にある場所で、
下の駐車場から歩いて5分ほどにあるところでした。
一本道の途中にあるところで、
その先は行き止まり。(看板があった。)
周りは鬱蒼と森が広がっておりお墓が立ち並ぶだけの所なので
人はほとんど来ない場所でした。
その日も1~2人ほどお墓参りに来ている人は見えましたが、
すぐにいなくなり昼からの作業でしたが1人の方が多かったです。
なかなか骨の折れる作業で、墓石にこびりついた草を
ブラシでとるには時間がかかりました。
4時間ほど経ったときに下から誰かくるような気配がして、
よく見てみると赤い着物?浴衣?のような服装の老婆
(腰が曲がっていたので)のような人が来るのが見えました。
その人はお墓を横切り、一本道の先を登っていきました。
その時僕は「あの先て行き止まりじゃなかったけな~?」と思ったし
時間も午後5時を回ろうとしていたので
「こんな時間から山に登るなんて変な人だな~。」なんて思っていました。
そんなこんなで作業終了したのは午後7時。
回りはうす暗く、目を凝らして歩かないと分からないくらいでした。
その時の私はあのおばあさんの事がきがかりで
山に登って行ったっきり降りてこないので心配でした。
帰ろうと下に降りようとしていると下からまた誰か登ってくる人が見えてました。
その人はどうやら近所に住むおじいさんのようで、
こんな時間に駐車場に車が停まっているので気になり登ってきたらしく、
私を見るなりどなり声で怒ってきました。
「ダメだよ!こんな時間にこんな場所にいたら!!」
突然怒られたのでびっくりしているとおじいさんは、
「この辺りは神隠しがあるから危ないんだよ」
私は「どういうことですか?」というと、
「この辺りはね、昔からそういう伝説があって
女について行くとこっちの世界に帰れなくなるんだ。」
とおじいさんがいいました。
それを聞いた瞬間体中に一気に鳥肌が立ち、
さっきのおばあさんの事が頭をよぎりました。
あの時あの人(人間なのか?)に付いて行ったらと思うと・・・。
コメントを残す