とある田舎から大手の会社に就職が決まったので、
上京して来たS男は営業担当だったが
慣れない都会生活に疲れていても仕事だけはを頑張っていた。

夜になっても明るい街、昼は人がこれでもかと
せかせか歩いている世界に嫌気がさし
田舎ののんびりした時間の流れにホームシックになっていました。

そんな事を考えながら仕事を終え、帰宅していると、
みかちゃんの手術が成功するように
折り鶴を折ってくれる人はいませんかー。

と叫んでいる女性がいた。

東京という世界に疲れていたS男だったが、
田舎の出身の優しさで、
「僕にも折らせてください。」と言ってを折りました。

するとその女性は電話番号と住所を聞いてきました。

S男の地元ではでは、
物を貰ったら物を返すのが当たり前だったので、
都会でもそうなのかと思いあっさりと電話番号と住所を教えて
その場をさりました。

次の日、昨日の話を会社の先輩に話すと
「見ず知らずの人に自分の事を色々教えるなんてバカだなー。」
と軽く説教され、反省しながら仕事に戻りました。

やっと都会の生活にも慣れ、
仕事のコツも掴んで来た頃に知らない番号から
S男のケータイに電話がきました

新規のお客さんかと思い電話に出ると、
早く折り鶴を折って送れ。」と低い声で言われたのですが
怖かったので電話を切ってしまいました。

何かの間違いだと思い仕事に戻りましたがすぐにまた違う番号から
みかちゃんを助けたいんだろ。早く鶴を折れ。」と怒られましたが、
自分も仕事が忙しので断り電話を切りました。

それからは、毎日電話が鳴り
着信拒否をしても違う番号から電話が鳴り出る
早く送らないと自宅まで行くぞ。住所は分かってるからな。
と言われまた着信拒否しても違う番号から
電話が鳴りやまない日が続きS男は精神がおかしくなり、
精神病院に入院しました。

入院してしばらくたちやっと回復し退院が決まったので
入院中に仲良くなったなった隣のおばさんに報告をすると、
よかった。これで鶴が折れるね。」と一言。

S男はすぐに違う病院へ入院してしまいました。